牛のメタン、海藻で削減? 地球にやさしい新しい取り組み

牛のゲップと温暖化

地球温暖化の原因といえば「二酸化炭素」を思い浮かべる方が多いと思いますが、実は「メタン」も大きな要因のひとつです。
しかもメタンは、二酸化炭素の25倍以上の温室効果を持つ、とても強力なガスです。

そして意外かもしれませんが、このメタンをたくさん出しているのが「牛」なのです。
牛は草を食べるときに体の中(胃)で発酵させるのですが、そのときに発生するガスを「ゲップ」として外に出しています。このゲップの中にメタンが含まれているのです。

世界には約15億頭もの牛がいます。その1頭1頭が毎日少しずつメタンを出しているので、地球全体では膨大な量になります。

海藻を食べさせるとどうなるの?

さて、ここで登場するのが「海藻」です。
ある種類の海藻には、牛の胃の中でメタンを作る菌の働きを止める成分が含まれています。

牛にこのような海藻を少し混ぜたエサを食べさせると、驚くほどメタンの量が減ることが分かってきました。
オーストラリアの研究では、カギケノリ(Asparagopsis taxiformis)という海藻が牛のメタンを90%以上減らすという報告もあります。

海藻は、「牛のゲップをクリーンにする天然のサプリメント」のような役割を果たしてくれるのです。

どんな良いことがあるの?

地球にやさしい: 温室効果ガスを減らして、異常気象を抑えることにつながります。
農家にやさしい: 牛の健康や生産性にプラスの効果が期待されます。
みんなにうれしい: 環境や牛のカラダにに配慮した牛乳やお肉は、消費者にとっても安心材料になります。

CRUSのチャレンジ

私たちCRUSは、海藻を原料とする発酵液を開発し、牛に与えることでメタンを減らす取り組みを進めています。
さらに、削減したメタン量を「カーボンクレジット」という形に変えて、農家さんに還元できる仕組みも作っています。

地球環境を守るだけでなく、農家さんや漁師さんの暮らしを支えることも目指しています。